私はわけが分からず首を傾げる。
「いや、まぁ、こっちの話…」
そんな私の様子に、なにかボソッと言ってるけど、よく分からない。
まぁいっか。
この制服、隣の町の高校の人だ。
傘さしてないし、雨でぬれちゃってるよ。
「ほら」
そう言って、私の手を掴んで立たせると、拾ってくれた傘を差し出してくれた。
でも、私はもうすでにこんなに濡れてるし…。
今更、傘を使っても遅い。
「良かったら、それ使ってください」
「は?」
私の言葉に、目を見開くこの人。
「私、滝に打たれたい気分なんで!!」
このモヤモヤした気分を、いっそのこと洗い流してしまいたい。
だから、差し出されていた傘を、そっと押し返す。
「意味わかんねーよ!これ、お前のだろ!?」
「私は大丈夫なんで、使ってください!では!!」
「ちょっ…!おい!!」