激しい頭痛がする。

ストーカーの正体は100%三浦君で間違いない。

彼の望みは、あたしを手に入れること。

校内でも目立つ存在でいつも派手なグループの真ん中にいる彼。

女の子からも人気があるし、女の子に困るタイプではない。

だけど、この執着心は異常だ。

彼に家を教えた覚えも、番号を教えた覚えもないのに彼は家までやってきて無言電話をかけてきた。

どうやってあたしの電話番号を知ることができたんだろう。

住所だってどうやって知ったの……?

もしかして、学校帰りに後をつけられた……?

あらぬ妄想ばかりが頭の中に広がり、おかしくなりそうだった。

「ねぇ、あの子って莉乃の彼氏なんでしょ?傘も差さずに走っていったからきっとびしょ濡れよ~?傘くらい貸してあげなさいよ」

「違う……」

「え?」

「彼氏なんかじゃない……!!」

大声で叫ぶと、お母さんは目をぱちくりとさせて驚いていた。

あたしは冷めてしまったココアをテーブルに置くと、階段を駆け上がった。