「このバカヤロウ、うるさい。
 大声は規則違反だって言ってんだろ」



目を細めて、ゆっくりと起きだす洸。


低血圧なのか、やたら機嫌が悪そう。



「……わ、悪ィ……」


心臓がまだバクバクいっている。




「いいか? 昨日まではまだ寮長も甘めに判断してるかもしれないけどな、今日からは俺らはれっきとした高校生なんだ。
 ほんのちょっとのことでもすぐに寮長が飛んできて、罰則ものになるよ」


くぁ、と伸びをしながら言う洸。




「あ、そっか。もう今日は入学式か……」


寮の説明会がすっかり入学式のような感覚で、すっかり忘れていた。


もうあれから一週間かぁ……。