ケータイ小説 野いちご

祠の鬼

カウンターに近づくと雨野深理(アマノシンリ)を誘っている最中だった。



「雨野くんも一緒に行こうよ、祠」

「どうしてオレなの?」

「だって、雨野くんみたいなイケ男いた方が絶対盛り上がるし!」

「……いいよ」



一瞬深理と目が合ったような気がした――が、ほんの一瞬の出来事だったからありさは気のせいだと思った。それより、深理がオッケーした方が意外でそっちの方を驚いた。



まさかオッケーしてもらえると思わなかったのは沙夜も同じで、オッケーを貰えた瞬間満面の笑顔を浮かべる。



「ほんと!?やったあ、雨野くんゲットだ!あともう一人男子いたらいいんだけど……雨野くん、心当たりない?」



沙夜がカウンターに体を乗り出して聞くと、深理は少し考え答えた。






「永津間響(ナガツマキョウ)、隣のクラスで家が古書店らしい」







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