「そろそろいくぞ」


「うん!」



私たちは保健室を一緒に出た。



隣を歩く燈弥が、今日はいつもより近くに感じる。


少しは近づけてるのかな。


なんて、思ったりした。



「……なにニヤけてんの?」


「へっ!?に、ニヤけてないよっ!」



燈弥は「変なやつ」と少し微笑んだ後、私の頭にポンっと手をおいた。



触れられた所から熱を帯びていき、胸がキュウッと締め付けられる。



やっぱり、今日の燈弥は優しい。



私はすごく幸せな気分のまま、教室に戻っていった。