「洸、コンタクトだったんだ。
見えないって言ったって、ちょっとくらい見えるでしょ?
一旦上がって服着て、それからでいいじゃん。
予備のコンタクトくらいあるでしょ?」
「いや、予備はあるけど……俺、コンタクトないと本当に何も見えないんだって。
明るい暗いの違いしかわかんねぇ」
うそ……そこまで?
もしかして、ただ視力悪いだけじゃないのか?
「え、ちょ……ッ。
それでもあたし、助けてなんて言われても、困るよ!?」
いったい、どうすればいいのさ。
これまでの習慣を頼りに、手探りで脱出?
もしできたとしても、服が着れないし。
そもそもまだ2週間しかここで生活してないし。