空にぃは昔は街でも有名な不良だったんだ。


“空鬼”って呼ばれてて、それはすごい不良だった。


私より強いと思う。


そんなすごい空にぃは私の憧れだったんだ。


本人には言わないけど。


調子に乗ったらダメだからな。


「何があったのか知らないが、溜め込むんじゃないぞ?」


「ああ」


空にぃの言葉に頷き、窓の外を見つめた。


そもそもこうなった理由は、朝のお母さんのある発言からだ。