中村くんは「あー……」と、何かを考えるような声を漏らした後、
「大西さんがちょっとでも俺と付き合ってくれたら、利害関係が一致するんだよ」
と、言った。
利害関係……?
「え、それって」
「わ、もう外暗いじゃん! ごめん、こんな時間まで付き合わせて」
「いや……」
ガタッと椅子を引く中村くん。
わざと話を逸らされて。
バカなあたしでも分かる。
それは、これ以上聞いて来ないで……ってこと。
気になりつつも、一線を引かれ、聞けなくなってしまったあたし。
何なの……。
帰る準備をする中村くんを目の前に、ちょっとだけ不機嫌になりかける。
だけど、憎めない……っていうか、中村くんはきっと女子にモテると思った。
「あ、今日はブラウニーだったけ?ごちそーさま! また作ってよ!」
照り焼きバーガーとポテトをしっかり食べた後だったのに、中村くんは忘れていなかったから。
あたしの作ったハート型のブラウニー。