「そのうち、会話なんて自然とできるようになるって」
そうだといいんだけど……。
「ねえ、南波。やっぱり龍牙って、女嫌いなのかな?」
「んー……嫌いっていうか、元々あんまり喋らないからそう見えるんじゃないのかな?」
そっか……そう言われてみれば、そうかもしれない。
「あとは、あのルックスだし、言い寄ってくる女がたくさんいて嫌だからとか」
あ、それはあるかもしれない。
メアドとか教えたら、絶対しつこくメールする子もいるだろうし。
……あれ、待って?
「南波」
「んー?」
「私、そのたくさんいる嫌な子のうちの一人ってことだよね?」
「えーとー……」
南波はバツが悪そうに目をそらした。
「いいよ、もう!私はしつこく頑張るって決めた!」
「そう!諦めたらダメ!」
逃げられたら、逃げられた分だけ追いかければいい。
追いかけて、追いかけて、離れなければいいんだ。
よし!明日からまた頑張ろう!
今日が無理でも、明日は変わるかもしれない。
明日が無理でも、明後日は変わるかもしれない。
そうやっていけばいいんだ。
恋って、そういうものだと思う。
私はコップに入っていたカルピスを飲み干した。