飛んできた枕を持ち、桜の元へ置く。

 「痛かったね。 怖かったね。 傍に居なくてごめん。 すぐに駆けつけなくてごめん。 ・・・生きててくれて本当に良かった」

 そっと桜を抱くと、桜がオレの背中に腕をまわして泣いた。

 ので、身体を離す。

 「・・・え??」

 桜が眉間に皺を寄せてオレを見上げた。

 「だって、抱き合ってたら桜の泣き顔見れないじゃん」

 オレの言葉に、怒り心頭の桜。

 「帰れ!! まじで帰れ!! ばーかばーか!!」

 「絶対帰んない。 死んでも帰らん。 傍にいないと後悔するじゃん」






 もう、ひとりぼっちになんてさせない。







 ボクの前で、号泣。




 おしまい。