バスを降りると、目の前に大きなアーチ。
一足早く入学式の準備がしてある門には、『進級おめでとう』の文字がある。
あぁそうか、中高一貫だから、ほとんどが中等部からの持ち上がりなんだ。
高等部から編入の人、一人だったらどうしよう……。
柄にもなく、なんて弟たちが言うような心配をしていると、困ったことに出くわした。
……第一体育館なんて、どこか知らない。
館内マップのような地図を見つけても、現在地がどこか分からないし、体育館のような建物を見つけても、第三体育館だとか、武道場だとか。
「嘘でしょ……あと10分しかない!」
早くつくように計画した時間も、思わぬところでタイムロス。