桜の家からの帰り道、

 「あ、橘さん」

 桜の元カレの元カノの佐藤(元カレのヤツ、桜にプロポーズなんかしやがったくらいだから、多分佐藤とは別れたのだろう)に出くわした。

 「あ、どうも。 1人?? この辺変質者出るんでしょ?? こんな時間に危ないよ」

 時刻は23:30。 変質者が活動しそうな時間帯。

 「じゃあ、送って下さいよ」

 佐藤がオレの袖を掴んだ。

 確かにこの時間に、女のコを1人で歩かせるのは危険。

 終電まで時間もあるし・・・送るか。

 「送るわ。 家、この近く??」

 「やった!! この道真っ直ぐ行って、突き当たりを右に行ったとこ」

 佐藤がオレの左腕に絡みついた。

 家が近くらしいから、振りほどくのも面倒なのでほっとく。