「いやぁ、冗談のつもりだったんだけどさ…」



「…」



「だって、あんなド素人の適当な催眠なんて、かかる方がおかしいしょ」


「…」


「そんな顔、しないでよ。
君が催眠状態っぽくなったのも、
偶然かもしれないし」


「本当にかかってたら、どうしてくれるの?」


「そのときは…さ、誰かに、ね。
君、可愛いし、そういう相手いるでしょ?
もしいないなら…俺、使ってよ」


「…もういや…」


「泣かないでよ、ほら、
これも何かの縁かもしれないし…」



友達に誘われて初めて行った
合コンで出会った男の子に、
冗談のつもりで試されたデタラメな
催眠術に、
単純で思い込みの激しい、
ほろ酔いの私は見事にかかってしまった。


そして、彼氏の一人もいない私は
この男、真山に同情され、
(元はコイツのせいだが)
毎日、彼の唇を借りる羽目になった。



それから、成り行きで
彼と体の関係を持つようになったが、
彼には彼女がいた…

という、


ベタな展開。