立っているのがやっとだった。

手のひらにじっとりと汗をかいていた。


唇と指先が小刻みに震えている。


「加奈・・・宏人・・・は・・・?」


ようやく絞り出した声が、病室の床に低く響く。


「由希・・・・」


「宏人はっ!?」


何も考えられなかった。

ただ声だけが喉の奥から吐き出された。


「・・・由希・・・・・・ごめん・・・」


溢れ出す涙をこらえきれずに両手で顔を覆った加奈は、その場に泣き崩れた。


あたしはただ、その場に立ち尽くしたまま、

うずくまり震える加奈を見おろしていた。



その姿に、

最悪の結果を感じとりながら――――