『オイオイ。 ワタシを何歳だと思っているんだ。 ひとりで行けるわ。 ひとりで何処までも行けるわ。 ワタシの風邪を口実にシゴトサボってくれるな、次期社長』

 木内に可愛くない言葉でお断りされた。

 つーか、さすがに今の木内は何処までもは行けねぇわ。

 人が心配してやってるというのに、この女・・・。

 「じゃあ行かない。 さっさと医者行っておとなしく寝てろ」

 木内が可愛げがない為、突き放すと、

 『うん。 シゴトがんばってね、橘くん』

 電話の奥で木内が笑った。

 ずるいな、木内。 急に素直に返事されると、憎まれ口叩いたオレが悪者になるじゃん。

 シゴト、頑張るしかないじゃん。