「え?いやいや、私は一人でゆっくりと―――――――」

「却下。待つ俺が可哀想だから。俺も汚れを落とす必要があるわけだしな」

「え?ちょっと――――――」

「綺麗になるし、まりも食えるし、疲れも取れる。一石三鳥だ、素晴らしい!」

「ハロー、ハニー!?」

「行こう行こうすぐ行こう」

 久しぶりすぎた上にもうしっかりと発熱していた夫は、問答無用で私を浴室に運んだ。

 そして、大人が二人で入るには少しばかり狭い浴室で、気が済むまで私を襲ったのだ。


 
 満足した顔で隣で眠る彼の頭を手で撫でる。

 私も体中から力がぬけて疲れきってはいたのだけれど、月明かりのせいか何故か目が覚めてしまったのだ。

 まあいいや。彼の頭をなでながら一人で微笑む。

 明日は私は休みの日、雅も保育園が年末年始で終わってしまったので、お正月の買い物に二人で出ようと思っていた。

 駐車場のない我が家がこの間車を中古で手にいれて、少し離れたところに停めている。でもそのお陰で子供連れの買い物も楽になったのだ。だから明日は息子と二人で買い物に行って・・・・。

 頭の中で予定を組み立てていたら、眠気がとろとろとやってきた。

 私もベッドの中深くに潜り込み、目を閉じる。


 彼が無意識に私の手を捜して手を動かしたのを、薄れ行く意識の中で感じていた。