キーンコーン––––––––––


授業の開始を告げるチャイムの音が学園中に鳴り響く。



よかった、あたし授業に間に合ったー!

美玲のおかげだー!




でも、心には蟠(わだかま)りがある。


美玲の手を掴んでしまったことで、一つの事実が決まったような気がした。




あたしはもう戻れない。


独りで生きてきたあの頃には–––––––




どういう経緯であれ、結果としてあの手を掴んでしまった。



だからきっともっと辛くなる。


きっともっと苦しくなる。





…そして、あたしは大事な人を巻き込んでしまう。


また、大切な人を傷つけてしまう。




そしてまた―――――あたしは独りになってしまう。