足取り重く学校に向かっているところ。

バキッ。ボキッ

といびつなおとが聞こえた。
「なんだろう……ケンカかな?」
見事予感は的中。

あたしの嫌いな嫌いな神崎直也さんだった。

「うわぁ……痛そう。」

ずっと殴られっぱなしだった。
相手の人が。

神崎さんは傷ひとつない。
……きれいな顔。

小顔で、細身のからだ。身長も高くて、
少し茶色のかかったサラサラの髪に、くっきり二重で切れ長な目。

悔しいけどかっこいい……
ま、観賞用だけど。
そんなこと考えてると
ドサッ!
と神崎さんが倒れた。