「…そんな顔して。誘ってんの?」





でもそれは逆効果だったらしい。

相良は全く怯む様子もなく。

むしろ面白がるように。

唇の端っこに不敵な笑みを浮かべた。





「さ、誘ってなんか…」

「誘ってんだろ?」

「え?」





繰り返された相良の言葉。

なんか、すごく。

イヤな予感が…。





相良の表情に。

本能的に後退りしたくなる。

私の背中にツツッとイヤな汗が伝った。

…のとほぼ同時。





グイッ。





「わ…っ!!」




相良に引っ張られ。

私は相良の胸の中に収まる形になった。





「ちょっ、相良っ!?」

「自分が抱きたい女に誘われて乗らない男はいねぇよ?」

「だから誘ってなんかな…ッ!?」





私の言葉は、最後まで紡がれることなく。

飲み込まれた。





「んうっ!?」

「続きはまた後で、な?」





…相良の、手のひら越しのキスに。