ケータイ小説 野いちご

普通な学校生活を送るための傾向と対策

 亮さんは中学からバドミントンを始めて、
 中三で全国大会シングルス優勝。


 その後地元のバドミントン強豪校の紫杏高校に入学して、
 一年生からレギュラーで国大会でも優勝経験がある。
 全国トップレベルの実力者。

 その亮さんに緋色は
 ずっとバドミントンを教えてもらっている。

 小学校にはバドミントン部はなかったから、
 必然的に亮さんが教えることになったんだけどね。

 中学に入ってからでもよかったと思うんだけど。


「緋色? 今からうちにくる?
 母さんがケーキ焼くから誘ってきてって、
 言われてたんだよね」

「うん。もちろん」

「里花ちゃんもどうぞ」

 おっ! 亮さん。気づきました?
 
 やっとわたしも視界に入ったのね。
 もちろん行きます。
 祥子さんの作ったケーキおいしいもん。

(祥子さんは亮さんのお母さんで、
 おばさんとかおばちゃんとか言われたくないらしく、
 わたしたちに名前で呼ばせている。
 ちなみに、緋色のお母さんも同じ。有希子さんという。
 二人は学生時代からの親友らしく、仲がいい)


 亮さんは緋色の肩を優しく抱くと
 家へと促していく。

 わたしもその後ろに続く。



 二人を見ながら
 似合っているなと思ってしまう。

 二人が寄り添っている姿は
 自然で当たり前で。


 亮さんは柔和で整った顔立ちをしていて、いわゆるイケメンだ。

 長身で細身で、包容力があって、やさしくて、
 例えるなら―――
 一片の曇りもない青空に輝く太陽のような人。

 紫杏学園高校の進学科にいるくらいだから
 頭だっていいし、
 運動神経にしても、バドで全国優勝するような人だ。


 どこを見てもどこをとっても、
 非の打ちどころのないような人なのだ。

 そんな人が生まれた時から、ずっとそばにいるのだから。

 緋色が他の男子に目を向けるはずがない。


 亮さんの気持ちは恋なのか、
 妹のように思っているのか、
 わからないけれど。

 
 それでも、いつかは。


 二年後、三年後には
 恋人同士になっているかもしれない。

 ・・・って、
 未来予想をしている場合ではないわね。




  
 静かで普通な学校生活を送る。

 これが今のわたしにとっての最優先課題。

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