わたしたちはバドミントン部所属。

 この日は確か午後一時からの練習だったはず。
 三時間練習があったとして終わるのは四時。

 それから着替えて目的地までとなると、最低でも三十分はかかる。
 となると、参加したとしてもそう長くいられるわけでもない。

「みんな似たようなものだから、遅れてくる人も何人かいるし、
 六時まではいると思うから、それだったら多少遅れても
 大丈夫なんじゃない?」

 気乗りしないながらも、助け舟を出してくれる。
 前回はあっさりしたものだったからね。

 男子達に
 絶対に誘ってきてくれと
 言われているのかもしれない。

 そっちの線が濃厚よね。

 前回参加していないから、
 今回はどうしても
 参加させたいのかもしれないけど。

 まとめ役の女子達も大変ね。

 一応、クラスの親睦会という名目があるから、
 誘いたくなくても、
 声をかけないわけにはいかないしね。



 このクラスって、どうしてこう、
 みんなで集まるのが好きなのかしらね。

 比較的、男女の仲がいいのはわかるけど。

 気の合う同士で
 仲良くしてくれればいいのに。


 関係のない者まで、巻き込まないでほしいわ。



 ホント、迷惑。




「六時ね。やっぱり、無理かも・・・」

「どうして?練習ってそんなに遅くまであるの?」

「そうじゃなくて、緋色んち、門限五時なのよ」


 わたしは自分の目の前に座っている
 一人の少女をちらりと見る。
 少女は何も言わず曖昧に微笑んでいる。

「今時、門限五時なんて、信じられない」


 女子たちは珍しい物でも見たような顔をしている。
 五時っていうのはさすがにありえないよねと、
 いった本人のわたしさえも思いながら言葉を続ける。


「わたしも信じられないんだけど。 
 親が厳しいからね。しょうがないのよね」

 わたしは大袈裟に
 がっかりしたように肩を落とした。

 参加できないことを匂わせると
 女子たちの表情が少し変わった。

 ほっと安堵したような。

 やっぱりね。