雅はきっとあの子に好かれたいと思って
いる。それがどういう"好き"かまでは、
わからないけど。



とりあえず、麗ちゃんに伝えておきたい
んだ。俺は敵ではないと言うことを。



翌朝。


麗ちゃんの家の前まで行って、麗ちゃん
が出てくるのを待つ。



───ガチャ……。



そんな音が聞こえてきて、玄関のドアを
覗くと、無表情な麗ちゃんと目があって




扉を、閉められそうになった。



それを慌てて片手で止めると、麗ちゃん
の眉が怪訝そうに寄せられた。



……予想はしていたけど、まさかここま
でだったとは。



どうやら俺は、相当警戒心を持たれてい
るらしい。



麗ちゃんは姫だから、これから登下校は
、俺らが交替で一緒に付き添うと告げれ
ば、意味がわからない、というような表
情を浮かべる麗ちゃん。