地元に戻ってから、私はフラワーデザイナーの資格を取り、ありとあらゆる花に関する資格を取得していった。


実家の近くに、小さいけれどお店を出すことが決まった時は、綾子にだけ伝えて。


今ではお店をダイキ君に任せ、私はホテルやレストランなどの活け込みや、地元の奥様方に向けたスクールを担当している。


2人しかスタッフがいないから、規模は小さいけれど、まずまずの売上を出していると思う。


「来週の結婚式、よろしくね。」


「まかせてっ。私、頑張っちゃうから。」


さすがにね、綾子の結婚式には参列できない。


だからこそ、裏方としてしっかりと支えてあげたいんだ。


最初に打診が合った時は、断るつもりだった。

だってね、…縁起が悪そうでしょ。

でも、一生懸命に説得する綾子の姿を見て…。

こんなことでお返しが出来るのならば、迷惑をかけてしまった親友の晴れの日のお手伝いを、しっかりと努めようと思ったんだ。


だけど、―――。

これは、綾子と紺ちゃんと私だけの、秘密。

誰にも言わないという約束のもと、私は引き受けることにした。

だって、せっかくの結婚式が、私のせいで台無しになってしまうなんて、ありえないもん。