祖父の話によると、日没までに雹零山から離れなければ災いが起こってしまうらしい。

そのために代々、南川家当主が結界を張っているんだと聞かされた。

自分には災いを祓う事なんて出来やしない。

そのためには一刻も早く森を抜けて雹零山に向かい、”神具”を持ち帰らないといけない。

巫女装束に付いてしまった土を払い、目の前に見える雹零山を目指して歩き出した。