初恋のイメージは、ふわふわの綿あめ。
子どもの頃、縁日でお父さんに買ってもらった、あれ。
パンパンに膨らんだ袋にワクワクして、早く開けたいようで、開けるのが勿体なくて。
思い切って輪ゴムを外せば、
一瞬にして立ち込める、砂糖の甘い香り。
まるで雲のように白くて、ふわふわのそれは口に含むと、
じんわりと甘く、消えるように溶けるの。
どこまでも優しく甘い、綿あめ味。
あたしの初恋は、きっとそう。
……な、はずなのに、
あれ? 何だか変。
この綿あめ……しょっぱい。
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