背中をそろりとなぞる指が、名残惜しそうに動いているのを感じ、私は小さくため息を吐いた。


「…もう一回、…。」


吐息混じりに囁かれた言葉に、少しの執着を感じ取る。


「嫌よ。」


私は、彼の首に腕を回しながら言った。


「……っ。」


平日の午後。

無為に過ごす、この時間。


もう、十分。

心ゆくまで堪能したんじゃないの――??


「そんなふうに拒否られると、余計に燃えるね。」


馬鹿みたい。


煽ってるわけじゃないのに。


もういいって、もう嫌だって、言ってるの。


触らないで!!