「そうだね。それは、麗ちゃんの取る行
動によって変わるけど」



ああ、ちょっと意地悪な回答だったかも
しれないね。



だって今の俺の言葉のせいで、彼女に与
えられた選択肢は、「姫になる」しかな
くなってしまうんだから。



そこまで麗ちゃんもバカじゃないだろう
。俺が言いたい事くらい、わかるに決ま
ってる。



麗ちゃんは、その大きな瞳に相変わらず
困惑を浮かべたまま、俺を見つめた。



「……もう、調べたの?」



その懇願するような、縋るような瞳が、
嫌いだ。



脳裏に焼き付いて、離れてくれない、あ
のシーンが、色濃く、鮮明に映し出され
る。



ああ───鬱陶しい。


そして、なんとも息苦しい。



「まだ、調べてないよ」