「珍しいね?真麻が髪を結んで欲しいなんて」

「今日は転校初日だからお洒落したかったの」

「…ふうん」



私はあたかも興味なさ気に呟くと真麻の髪を見る。小学生らしいツインテール、珍しく結ってある髪は幼い妹によく似合っている。


こんな辺鄙(ヘンピ)なところでお洒落をしても何もないのにね?



「髪型可愛い〜!お姉ちゃん相変わらず手先器用だね、ほんと意外」

「意外は余計だっつうの。私に掛かればこんなの朝飯前よ」

「顔に似合わず、だね」



顔をクシャッと崩して笑った真麻はここに来てからやけに子供らしい。