「それじゃ、まあ、頑張ってきますか」

試合は、少し向こうのテニスコート。
走らないと間に合わねぇかもな。




「うん。夏帆と一緒に応援してる」

にこっと、立原が笑う。
すげぇ、かわいい。


「さんきゅ」


小さくつぶやいたコトバは、
ちゃんと声になっていただろうか。




さぁ。
戦ってきてやろうじゃないか。

テニスコートが俺たちの戦場。
勝利を君に捧げるための、俺たちの戦場。




そう言ってたのは、原沢だったけな。




せいぜい、無様な負け方はしないように。
全身全霊を込めて、ボールを追う。
打つ。









君の心にも、届くように。




☆End☆