───そして、今に至ると。



そう言えば、いつもうざいくらいに気付
けば隣に居る、春希の姿が今はない。



私は席に着いたままで、雅を見据えた。



「なんの、ご用件ですか?」


「いいから、来いって」



来いって……いきなりそんな風に言われ
ても、あーそうですか、と頷けるような
モノじゃない。



どうしたものか、と思っていると。



「獅童様!こんな女、おやめになった方
が良いですよぉ!」



と、急にクラスのボス的存在の、女の子
がそう口を挟んできた。



こんな女、という言われ方に多少イラッ
てしたけど、まあこれでほとぼりが治ま
るんだったらそれでいいか、と女の行方
を見守る。



「この人、高嶺の花なんて言われてるけ
どぉ、すっごい無表情だしぃ、つまらな
い女ですよぉ?」



そう言いながら、何を思ってか、腰をく
ねらせる女。