さっきまでブス、って私のこと罵ってた
じゃない。



そんな風に思いながらも、どうせそれを
指摘した所で、逆にこの子らを煽るだけ
なのがわかっているから、口をつむぐ。



そしたら、いきなり胸ぐらを掴みあげら
れた。



流石にここまでされると、器官が圧迫さ
れて息苦しいから、私を掴みあげる、ネ
イルでゴテゴテした手のひらに、そっと
自分の手のひらを置いた。



「……離して」



そう言えば、ニヤリと下品に笑う女。



……あぁ、なんて醜い笑顔。なにかを企
んでいるような……。



これだから女は嫌い。


人間は、嫌い。



ふと、思い出したくもない事まで思い出
しそうになって、心の中で舌打ちした。



「ごめんなさい、って土下座したら、許
してあげてもいいけどぉ?」