「じゃ、じゃあさ」

「ん?」

「夏帆と一緒にFBCタイムで放送するよ」

「三峰と?」

「功毅クン、喜ぶと思うし」

「あー、それ、いいな」

「でしょ?」

「あいつ、あんなクールな顔して、
 けっこう三峰大好きだもんな」




賢太がまたにやっとする。



「それじゃ、まあ、頑張ってきますか」

「うん。夏帆と一緒に応援してる」

「さんきゅ」




賢太は、しゅんっとラケットを一振りし、
テニスコートに向かっていく。



この瞬間の格好よさ、
絶対に全校放送してやるんだから。


ちょっと胸に秘めておきたい気もするけど、ね。




あたしの放送部員としての意地が、
ぎゅっとうずいた気がした。




☆End☆