「平気だって。心配すんな」




功毅は、私の頭を軽くぽんぽんと叩く。






はぅ……!

不意打ち過ぎるよぉ……








その手つきが、何だか不器用で。
でも、優しくて。




私は、もう何も言えなくなる。





「がんばってくるからさ」

「うん」

「見ててくれよな」






そう言って、功毅は駆けていく。

その先には、テニスコート。





信じてるよ。
あんたの全力、私信じてるから。





後姿を見送りながら、
ぎゅっとなる胸のうずきを押さえた。





☆End☆