「ガムシロは、1つで良かったか?」

「!」


部屋を見渡していると、課長が私に近寄り、コーヒーが入ったグラスを差し出した。




「あ、大丈夫です。すみません…頂きます」


課長からコーヒーを受け取り、一口飲む。






「あ、景色も綺麗…」


その部屋の窓は、全面ガラス張り。

夜景とスカイツリーが、すごく綺麗に見える。



こんな家に住んでるなんて…課長ってばすごーい。


ん?

でも、課長…なんでこんなにいい家住んでるの?


いくら課長でも、うちの会社中堅企業だし…そこまで給料いいとは思えないしなぁ……

うーん……






「…お前・・本来の目的忘れてるだろ(汗)?」

「へ…?」


キッチンでタバコを吸いながら、私を呆れた顔で見る課長。




「あ!そうだった!!携帯っ!」


部屋に夢中になって、携帯のことを忘れていた私。





「そこのテーブルの上」

「!」


課長が指さしたリビングのテーブルの上に、私の携帯が…!