そんなことを考えていたら、普段より早くついてしまった。


いつも校門の前で先生たちが立っているが、今は誰もいない。


それほど早く来てしまったということなのか‥。


「ま、いいか‥。それにしてもあのゴミ入れ場に捨て傘が大量に置かれてるなー‥。そんなに傘いらないのか?」


そういえば先生が、ずっと置かれている傘を処分するって言ってたな。


近くにあったゴミ入れを見て、少し哀れみながら教室へと向かう。


同情という感情をしないように、普段はギリギリに行き、学校が終わるとすぐ教室を出るようにしていた。


教室の前にたどり着いたが、ドアにカギがかかっていて中に入れなかった。


「あ‥。早く来すぎるとこうなるのか。まぁ近くのイスにでも座っ‥。」


ふとカギのかかったドアの窓を見ると、教室の中で女子生徒が一人倒れていた。


「おい!!大丈夫か!?」


ドアを何回たたいても返事がない。


女子生徒の顔を見ようと思ったが、ここからだとよく見えない。


「おい‥。おこす側のオレが、何おこされ側になってんだよ。」


ハァーと長いため息をつきながら、頭をフル回転させどうするか考える。