「花野、来世でも巡り合おう。
その時は花野の首筋のハートのアザ、またここに付けて生まれてきて?
僕はこのエクボを付けて生まれてくるよ」

ギュッと男の子は女の子の手を握りしめた。

女の子は大粒の涙を流しながら大きく頷いた。


「イッくん、ありがとう!

約束守るから。

この生まれつきのアザ、また付けて生まれてくるから!」


「花野、もう時間だよ。

おばさんに心配かけちゃうよ?」


「うん…

イッくん、今までありがとう」


今日の午後の電車で女の子はこの土地を離れる。


「こちらこそ、ありがとう。

大好きだよ、花野。

何年後かはわからないけどまた会える日を信じてる。

手紙、書くから。

さよなら」