恋心を二年弱も忍ばせたまま、友達として傍にいてくれて長い時間をかけてゆっくりと距離を縮める事を選んでくれた大和。
そんな大和の気持ちに、美琴は素直に応えたいと思った。

もちろんそれは情や同情など、悲観的な類の感情ではなく。

それが極めて、というかほぼ恋愛感情なんだと美琴が気づいたのは、告白を受けて数日が経った後で。

だから、大和への告白の返事は実はまだきちんとできていない。

『ごめん……。もう隠しきれないから言うけど……俺、美琴が好きなんだ』
『俺の事嫌いじゃないなら、付き合ってほしいんだ』

告白の時そう伝えた大和に、美琴は頷いて。
その数日後、美琴は大和の告白をきっかけに自分の気持ちをじっくりと見直し、大和への恋心に気づいたわけなのだが。

『美琴の気持ちが追いつくまでどれだけでも待つから。隣にいさせてもらえるだけで十分だから、俺』と柔らかく微笑む大和に、美琴も自分の気持ちを伝えようとはしたものの、タイミングと自らの度胸不足にことごとく邪魔されて……今に至る。

気づいた好きの感情は未だに言葉にはできずに、美琴の胸の中に押し込まれたまま、外に飛び出すチャンスを窺っている状態だった。

一応付き合っているのに、美琴の想いは未だ大和に伝えられていない。

第三者から見たらじれったくて堪らない関係は二ヶ月目に突入しようとしていた。