そういえばオレって何者なんだ‥‥?


自分で清川修也と思っているだけで本当は違う誰かではないのか?


親も兄弟もいない。


幼なじみの未来も今は学校が違う。


オレが清川修也だと証明するものが何もない。


あるのは一匹の黒猫と少し大きめな清川と書かれた名札がかけられている家があるだけ‥。


考えただけで何も解決しないことはわかっているが、つい考えてしまう。


最近、オレが主催者として命がけのゲームをすると自分の世界が出来ていくと思う優越感に浸れる。


しかしそう思う反面、自分を見失っているんじゃないかと思うときがある。


まぁ、人を殺して自分を見失わない方がおかしいとは思うが‥。


だが、内田幸平を殺したとき、精神的なダメージは少しおったが、人間の死にたいする恐怖は感じていなかった。


オレは結局何がしたいのか曖昧なままゲームをしているのかもしれない。


何もわからずにしているだけ。


そしてオレは言葉ではあらわせない何かを忘れてる気がする‥。


いったい何を?


ニャー。


今までうなっていたショコラが、心配そうにオレを見つめていた。


「あれ?いつの間に機嫌良くなったんだ?まぁ、オレの考えすぎだな。よし!夜はスペシャルメニューでもするか。」


ニャー!


さっきまでの行動が嘘のように嬉しそうに鳴くショコラ。


「あはは、じゃあ買い物行ってくるから大人しくしてろよ。」