あれれれ??


ここどこだろ??


あ。

保健室だ。


記憶を辿る。


私、体育の授業中に、先生に見とれたまま意識失っちゃったんだ。

誰がここまで運んでくれたんだろう・・

もしかして、先生がお姫様抱っこしてくれたのかな?


意識失ってたことがもったいない。

こんな機会もう一生ないかも知れない。

せっかくの先生との貴重な触れ合い・・・時間が戻って欲しい、なんて真剣に思う。


ガラガラ・・


保健室の扉を静かに開ける音。


「どうですか?矢沢の具合・・」

先生の声・・

声だけでも先生だって・・・わかるよ。

そんじょそこらの恋じゃないんだよ。


ずっとずっと先生のこと見てたんだから。

運動場から聞こえる先生の声に耳を澄ましながら、教室で授業受けてるんだよ。

先生のことならなんでも知ってるんだから。


「ずっと、眠ってますよ。もう熱も下がったし、目が覚めたら送ります。」

保健室の先生の穏やかな声。

「あ・・俺、送りますよ。ご両親にも、ちゃんと謝らないと・・」

ええ???


先生が・・・私を・・??

送ってくれるの??


また熱が上がっちゃうよ・・


あ。

足音が近づいてきた・・

どうしよ・・カーテン開けるのかな?


カーテンが開けられるのと同時に、私はとっさにふとんに顔を押し込めた。

「あぁ、眠ってんな。もう2時間も眠って・・」

私は、2時間も眠っていたことを知り、最近寝不足気味だったことに気付く。



「じゃぁ、あと宜しくお願いしますね。私、先帰ります。」

保健室の先生は、意外にもあっさりと私と先生を残して帰ってしまった。


でも、おかげで2人きり・・・!!!!