「夕凪ちゃん?」


ハッ


なるちゃんは不安そうに
うちを見つめていた。



イケないイケない
思いだしてたらボーッと
してたわ



「あ、てかね!今日
すっごいヤンキーに
道きかれたんだけど!
めっちゃヤバそうだったんだけど!」



元気一杯に
なるちゃんに話した


なるちゃんはそんな
あたしを見て安心した
ようで微笑んでくれた



「フフッ夕凪ちゃん
今日は大変だったみたいね。ヤンキーって
どんなヤンキーだったの?」



「それがね!入れ墨
バッチバッチのいかにもヤクザ
みたいな奴だったんだょ!…あ!うちの高校の場所聞いてきた!」



そうそう。
道きかれたんだった
うちにあんな人いたっけ?
頭をフル回転しても
思い出せない




「入れ墨バッチバッチねー。
それ多分、速見成道君
だと思うよ。」



速見成道?

だれそれ聞いたことない



「あ、夕凪ちゃんは
三年の後半休んでたから
わかんないか。速見成道君って言って去年の冬くらいにこの定時制にきたのよ」



「へー、そうなんだ。
夜間部なん?」


冬なら分からなくて
当然か。
いろいろあって休学
してたし


「夜間部よ。夕凪ちゃんとクラス一緒のはずだよ。」


へぇークラス一緒なんだ


「え?!クラス一緒?!!」


クラス一緒って…
1番関わりたくない人種
なのに…



「大丈夫よ。あまり深く
考えこまないこと!夕凪ちゃんは考えすぎなとこ
あるから気をつけて」



「う、うん」



考えこまない考えこまない

よし!大丈夫!


「さっ授業始まるし
行った行った」



「はーい」



半ば強制的に
保健室からでた。