登校時間ギリギリにオレは教室の中へ入った。
もちろんそれも計画通りだが、学校へ行くと案の定クラスメイトたちがメールの事でざわついていた。
「いったい誰だ!!?出てこい!!」
と怒るヤツや。
「強制ゲーム‥。これから何が始まるの?」
と怯えるヤツもいた。
「お、修也!!おはよっス!元気か?」
オレが来たことに気づいた翔が話しかけてきた。
「ん、相変わらず翔は元気だな。オレは‥まぁ、元気だ。」
「何だよその言葉!作文見てーだぞ?」
「うるせぇ‥、余計なお世話だ。」
最近よく学校で翔が話しかけてくる。
「そうか~?修也は相変わらずボーっとしてるな!」
そう言いながらオレの肩を強く叩く。
「痛ぇーよ、あれ?なんだか騒がしいな‥、普段はもう少しは静かなのに。」
肩をさすりながら少し遠まわしに聞いてみた。
目の前にいるヤツが、まさか騒ぎの原因だとは知るはずもないだろう。
「あー、なんか変なメールが届いてな~。しかもクラス全員に!怖いわ~。」
よし、全員に届いたか。
思わず口元が緩んだが、必死に手で隠した。
「あ、それならオレも届いた‥。」
まるで知らないヤツから送られてきたかのように演技をする。