少し予想外なことが起きたが、なんとか無事に学校生活一日目が終わった。


まずはアドレスを知らないと何も始まらないから、近くにいて話しやすかった生徒三人と交換した。


伊藤翔、橋爪悠大、園田美里の三人。


自然に何も問題なくアドレスを交換することに成功した。


これならクラス全員に問題なくアドレスを交換できるだろう。


「な~、清川修也君だったっけ?」


「そうだけど。」


なれなれしく話かけてくるのは、アドレスを最初に交換した伊藤翔。


いつも明るく、クラスのムードメーカー的存在だと園田美里から聞いた。


「部活はどこにするか決まってる?」


「いや、オレ部活入らないから。」


オレがそう言うと、伊藤翔は驚いていた。


「まじで~!?入るんだったらオススメの部活紹介してやったんだけどな~!」


伊藤翔はそう言って、大げさに悲しい顔をした。


「気持ちだけ感謝するよ。」


少し笑顔で言う。


「そうか~。じゃあ、また明日な!」


「あぁ。また明日。」


伊藤翔‥‥。


お前はひとくせありそうだな。


そう思いながら黒い猫のカバンを手に取り、教室を出た。