「ちっ……バスタオルで隠してるのに嫌な感じが伝わってきやがる。これは確かに直接見たらやばかったな……」


まず視覚からの精神破壊は免れることはできた。


「後はノイズか……マジで聞きたくねえ。だが俺が勝つ!昔から正義は必ず最後に勝つって決まってるんだよ!」


握り拳に汗がジットリと滲んでいる。
額から流れる汗が頬を伝ってポタポタ落ちていく。


どれくらいの時間が過ぎたんだろうか。
鼓動は高鳴ったまま静まることを知らない。


「……ノイズは?俺はノイズから逃れることができたのか……?」


握っていた拳をゆっくりと開いていく。
自分が生きているということを実感するように。


「やったんだよな……?俺は助かったんだよな?」


すかさず俺は時計を確認、時間は三時四十五分になろうとしていた。

そこで初めて俺は助かったと実感する。
瞬間、テレビの映像も静かに消えていく。

俺は立ち上がり、力強く拳を握って勝利をかみ締めた。


「やった……でもここからが本番だ、落ち着け……落ち着いて次の行動に移るんだ」


今から俺がすべきことは二つある。


「まずは悲鳴をあげないとな……」