「目のない死体なんて珍しすぎる話だ……誰かの手が加わらない限りそんな状態の死体は無いに等しい。去年の二月、何者かが少女を轢き逃げ。目を奪いそして死体を山へと投げ捨てている……」


俺は机に頬杖をついて天井を見上げた。


「……去年の二月二十二日だったな」


俺はキーボードに手を置き、少女惨殺事件という単語を叩いていく。


「少女惨殺事件……あった……これだ!」


《戸田原市内、二月の事故、事件》

二十二日の未明、県警の勝俣刑事から連絡があった。警察が勝俣刑事のもとへ向かうと、そこには僅かながら血が道路に散乱していた。
勝俣刑事に事情を聞いたところ、勝俣刑事は巡回中にこの現場に居合わせたと話している。
警察が調査をはじめて数週間後、少女の腐乱死体が山で発見された。
死体には何故か両目がなく、警察は殺人事件と捉えて捜査を開始させた。犯人は依然として見つかっていない――。


「的中だぜ!」


俺は拳を作って笑みを浮かべた。