体操座りして小さくなってる私に
おじちゃんは目の前に来て座って私の目を見ながら言った。



「いいかい、あーちゃん。女の子ってのはたくさん愛されてる子程幸せなんだ。あーちゃんが、タカ君の事大好きなのはわかるけど、女の子を泣かせるような人とは幸せにはきっとなれないよ。」



ごもっともだった。
でも、私はどうしてもタカを失いたくなかった。


「あーちゃん。あーちゃんはもっと自分を大切にしてあげなきゃいかん。
…小さい頃から、『私なんて』っていつも言ってただろう?そんなんじゃダメだ。」


おじちゃんは私から少し離れてタバコに火をつけた。


「あーちゃんのお父さんお母さん、かなこちゃん、そしてわしもみんな、あーちゃんが大事なんだよ。でも、あーちゃんを一番に幸せにしてあげられるのは、あーちゃん自身だけなんだよ。」


私は気づけば涙を流していた。


「自分が我慢すればタカ君は側にいてくれる、なんて悲しい事言わんといてくれ。あーちゃんはいつもニコニコ笑っていなきゃ、おじちゃん許さんけんな。」


保おじちゃんは、ニコニコしてそう言った。