私は顔を赤くしました。


これは、つまりあれです。息子の恋人はどんな女性かの確認というやつなわけです。


ヤダヤダヤダ!私、健介君のお父さんの前で、健介君を誘惑しちゃったんだ!どうしよう?はしたない女だって思われちゃったかな?


それにしても、健介君……、私のこと素晴らしいって言ってくれたんだ……。ぬふ、ぬふふふふ。
私は両手で頬を抑え、腰をクネクネさせました。
「南斗晶さん」
倍達さんが、真剣な目で話しかけてきました。
「は、はい!」
私は背筋を伸ばしました。


これはつまりあれです。次に息子をよろしく的な言葉がくるはずです。ぬふふふふ。ぬふふふふ。


わたしは真面目な表情をしながら、心の中ではデレデレしていました。
ところが、倍達さんは、重い口調でこう言いました。
「悪いが、今後一切、健介には近付かないでほしい」
「はい!喜んで!…………って、ええええええっ!?」
予想外の言葉に、私は大声をあげました。