そんなある日のことだ。


放課後、学校の玄関の靴箱に、手紙が入っているのを見つけた。こんな内容だった。


『お話があります。放課後、校舎裏の桜の木の下で待ってます』


俺は、それを読んでニヤリと笑った。
「……果たし状か。久しぶりだな」
中学時代には、いろんな他校の不良に喧嘩を売られたものだ。最近は、俺の強さが噂で広まっているらしく、つっかかってくる輩は少なくなっていた。


道場の練習とは違う、こういう実戦の場でこそ、俺の空手は磨かれるんだ。


俺は拳を握り、気合いを入れて、校舎裏へ向かった。


それにしても、かわいい字の不良だな、と思った。