『藍河冬哉』

「──…はい」


冬哉の返事は決して大声じゃないのによく響いていて、

凜としたカッコいい返事だった。


それだけで泣きそうになる私は…涙もろいのかな?




それから式はどんどん進んでいって、あっという間に───…



『卒業生、退場』


終わってしまった。

退場……しっかり拍手しなきゃ。



「うぅ゙……っ」