ケータイ小説 野いちご

ハルマキ

 

 彼女の言葉を無視した彼は手近にある書類に手を伸ばし仕事の話をし始めました。

 何せ彼は、その時煙草を吸ってなど居なかったから。


 彼女は顔をあげて彼を見ました。


 そしてそこで初めて彼女は彼が、一度は話してみたいと思っていたプログラマーの一人だと知るのです。

 同時に煙草を吸っていないことも。


「あ……、初め、まして……」

「どーも、とんだご挨拶なことで」


 伏し目がちに答えた彼は、すっと目配せすると意地悪く口元を緩めました。


 そんな始まりから今に至っても彼女は彼の煙草のニオイには慣れないようですが。

 

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