「今日はオムライス気分だな。」


いつの間にかどこかへ消えたオレの家族。


料理を教えてもらった覚えが全くない。


いや、あったんだっけ??


どっちか忘れたが、オレが料理を始めて随分と時間がたつ。


そのおかげで少しなれ、早く料理を作ることが出来るようになった。


「やばっ!焦げた。まぁ、いいか‥。」


腕前はともかく、なんとか料理というものは出来る。


食べるのはオレしかいないんだから、別に失敗したって構わない。


机の下にキャットフードを置き、机の上には少し焦げたオムライスを置く。



「じゃ、いただきます。」


ニャー。



片手にパンフレットを持ち、オムライスを食べながら見る。



「向こうはどんな生徒がいるんだろうな‥、楽しみだ。」



パンフレットの表紙には、作り笑顔をした男女の生徒が載っている。


どこか遠くを見ているような濁った瞳。


それが哀しく見えるのはオレだけなのだろうか?


「壊す‥、偽りを‥。」


そう呟いて、パンフレットをクシャクシャに丸めた。